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基本講座「商品選定の経営判断とは」

●よい商品とは、成長性、収益性そして経済性(資金効率)がポイントです。
成長性、収益性、経済性の高い商品とは、いったいどのような商品をいうのでしょうか。

●成長性の高い商品とは、売上高の伸び率の高い商品をいい、売上高成長率は、当期(当月)売上高/前期(前月)売上高で求めます。

●収益性の高い商品とは、限界利益率の高い商品をいいます。下記の表で、商品構成を変えると全体の限界利益率がどう変化するか検証してみましょう。

  A商品 売上高 450 限界利益率20% 利益 90
  B商品 売上高 300 限界利益率25% 利益 75
  C商品 売上高 150 限界利益率40% 利益 60
  D商品 売上高 100 限界利益率30% 利益 30
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  合計  売上高1000          利益255

●商品構成を、限界利益率の低いA商品を少なくし、限界利益率の高いCD商品の商品ウェイトを高めた結果、下記の通り、合計の売上高1000は変わりませんが、限界利益は商品構成を変える前の255から270に増加しました。

  A商品 売上高 350 限界利益率20% 利益 70
  B商品 売上高 300 限界利益率25% 利益 75
  C商品 売上高 200 限界利益率40% 利益 80
  D商品 売上高 150 限界利益率30% 利益 45
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  合計  売上高1000          利益270

●このように限界利益率の高い商品の売上高構成比を高めることにより、利益が増加することがわかりますね。この商品構成を商品ミックスといい、最適な商品ミックスを考えることが、収益性アップにつながります。

●経済性の高い商品とは、資金効率の高い商品をいい、具体的には在庫の回転率の高い商品をいいます。在庫の回転率はその商品の売上高年計を年平均の在庫高で除して求めます。在庫回転率の高いほど、資金効率すなわち経済性が高いことになります。

●以上、成長性、収益性、経済性の三点により、売上高成長率、限界利益率、資金効率の指標に注目して、総合的に商品を選定することが肝心です。

●またこれまでは、よい商品とは何か、を考えましたが、よい得意先とは、どの販売形態(卸売、小売、直販など)を重視すべきか、どの地域に重点販売すべきか、といった場合に商品と同じように、成長性、収益性及び経済性から考えることが出来ます。

●例えば得意先でいうと、成長性とは売上高伸び率、収益性とは限界利益率の高い得意先をいい、経済性(資金効率)は売上債権回転率の高い得意先をいいます。これらの指標が高い得意先が、よい得意先ということになります。

売上債権回転率とは、売掛金や受取手形などの売掛債権が、以下に早く現金化されるかという指標です。具体的には一年分の売上高合計を売掛債権の合計額で除して求めます。

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